定款の変更はきちんとした手続きを取らないと無効になる!

商号や目的といった定款に書かれている事項を変更をする際には、定款変更の手続を行わなければなりません。

ただ単に定款を書き直せばいいと思っている社長もいますが、それは違います。

会社の定款の変更は非常に重要な手続なので法的に定められた手続きをしなければなりません。

どのような場合にどのような方法で定款を変更するのかについて解説いたします。

 

定款の変更が必要になるケース

定款の変更が必要があるのは以下のような場合です。

  • 会社名を変更する場合
  • 会社の目的にない新たな事業を始める場合
  • 本社を移転した場合(定款に最小行政区画までの場合は管轄外へ本店を移転)
  • 発行可能株式総数を変更する場合
  • 事業年度を変更する場合

上記のケース以外にも、公開会社にする場合、取締役会を新たにつくる場合、監査役、会計参与、会計監査人といった役員を新設する場合等色々なケースがあります。

ただし、役員の変更の場合は定款の変更は特に必要ありません。

 

定款変更に必要な手続き

定款を変更するためには

株主総会の特別決議

というものが必要になります。

特別決議では、株主総会で議決権を行使できる株主が過半数出席して、その議決権の2/3以上の賛成が必要になります。(定款に別段の定めがあればそちらに従います。)

反対する人の議決権が1/3を超えてしまうと定款変更ができませんので、会社の名前を変えたり、新しい事業を始めたりすることができなくなってしまいます。

 

定款変更後の取り扱い

定款を変更するといままでの定款は古くなるのでそのままでは銀行や役所に提出する書類としては使えなくなります。

だからといって会社設立後に変更した定款を公証役場で認証してもらう必要はありません。

変更後の定款としては

  1. 古い定款+変更の決議をした株主総会議事録
  2. 新しい定款の最後に原本証明をした定款

2の原本証明とは、定款を全て印刷した後余白の以下の文言を付け加えます。

この定款の写しは、原本と相違ないことを証明する。
平成〇〇年〇月〇日
神奈川県〇〇市〇〇1-1-1
〇〇株式会社
〇〇〇〇(代表者氏名) 印

提出先によって押印に変えて直筆の署名も認められる場合があったり製本が必要になったります。定款変更後の原始定款の提出が求められる場合には先に尋ねておくといいですね。

 

まとめ

定款を変更するには株主総会の特別決議が必要になります。

また定款を変更した場合、同時に法務局へ変更登記が必要になる場合があるので、自信のない方は司法書士に相談してください。

きちんとした手続きをとらないと変更が無効になってしまうので気を付けてください。




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ABOUTこの記事をかいた人

1980年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了後、研究所研究員、プロギタリストを経て司法書士・行政書士として神奈川県内で「司法書士・行政書士事務所 ローライト湘南」を運営。専門は法人設立、融資サポート、営業許可申請。「100年続く会社づくり」を目標に経営者とともに悩み、企業の問題解決に取り組んでいます。