創業者は細心の注意を!経営権を奪われないための持ち株比率

何人かで会社を立ち上げる場合には、発起人同士の話し合いで誰がどれだけ出資をするかを決めると思います。

みんなで同じ額ずつだしあって会社を設立するのは非常にまずいことになります。

「えっ、なんで?みんな平等にだせばもめないんじゃないの?」

と思うかもしれません。

しかし、会社では代表者の地位が不安定になってしまい、信用面でも問題が生じてきます。

会社の運営で失敗したくなければこの記事を読んで、経営を安定させるための持ち株比率について理解して、出資の配分を決めてください。

 

会社の経営には株主総会が大きく関わってくる

会社は「経営者」のものだと思いきや実はそうではないんです。

会社を所有しているのは「株主」です。

経営者は株主の会社を経営させてもらっている立場になります。

ですので会社で重要なことを決める際には株主総会で決定することになります。

 

株主総会の決議要件

総株主の同意が必要な事項を除いて株主総会の決議には以下の3つのタイプがあります。

  • 普通決議
  • 特別決議
  • 特殊決議

会社の運営について決定する事項の重要度によって必要な決議のタイプが変わります。

決議が難しい順番でいうと

特殊決議 > 特別決議 > 普通決議

となります。

 

普通決議

普通決議がどんな時に必要になるかというと

  • 役員の選任、取締役の解任
  • 決算書類の承認
  • 役員の報酬決定

などはこの決議で行われます。

定款に特別の定めがない限り、議決権を行使可能な株主の議決権の過半数を定足数とし、出席株主の過半数により決議します。

注目すべきなのは50%を超えて会社の株を持っていれば取締役を解任できることです。

例えば、あなたが中心となって行ってきた事業に仲間2人を入れて会社を立ち上げるとします。

「仲良く株式の比率を3等分しよう」

なんて人のいいことを言っていると、2人と意見が合わず仲が悪くなった場合あなたが会社からあっという間に追い出されてしまう危険があるんです。

どんなに仲のいい人と会社を始める場合でも、あなたが代表としてやる以上は絶対に50%を超えて株をもっていなければあなたの地位は極めて不安定なものになります。

 

特別決議

特別決議は会社の運営で重要な決定をするときに使われます。

例えば、

  • 定款の変更
  • 監査役の解任
  • 株式の併合
  • 株式の募集
  • 資本金の額の減少
  • 合併

など株主の立場に影響を及ぼす事項に関しては原則特別決議で決議を行います。

決議に成立させるためには、定款で別段の定めがある場合を除いて、議決権を行使可能な株主の議決権の過半数を定足数とし、出席株主の2/3以上の賛成により決議します。

会社運営する上で資本金の額の減少をしたり、募集株式の発行をしたり、定款の変更をしたりすることはよくあります。

こうした時に仲間と意見が合わなくなると会社の経営がストップしてしまいます。

経営者として円滑な会社運営をするためには最低でも2/3以上の株式を持っていることが重要です。

中小企業の場合は、経営者が2/3以上の株を持っている状態にしてください。

100株の会社の場合は67株以上ということですね。

少し持ちすぎという印象かもしれませんが、経営を安定させるためには必要な数です。

 

特殊決議

特別決議よりもさらに重い決議が特殊決議です。

株主への影響が極めて大きい事項について決定する時に用いられる決議で、

  1. 株式に譲渡制限規定を設ける場合
  2. 配当や残余財産を受ける権利等について株主ごとに異なる取り扱いを設ける場合

1については、総株主の半数以上かつ総株主の議決権の2/3以上、2については総株主の半数以上かつ層議決権の3/4以上の決議が必要です。

なかなかすることがない決議ですが、株主の数が問題になってくるので持ち株比率はあまり関係がありません。

 

2人で会社を始める場合、持ち株比率50%は絶対に避ける

2人で会社を始める場合、株式を半分ずつもって始めようとすることは絶対にやめてください。

なぜかというと50%の持ち株では株主総会で何も決定することができなくなるおそれがあるからです。

株主総会での決定は最低でも出席株主の過半数の賛成が必要です。

過半数とは、50%では決議要件に届きません。

意見があっているうちは特に問題がありませんが、お互いの意見が合わない時は株式を多くもっている方の意見を通せる状態にしておきましょう。

 

中小企業の経営者は2/3以上の株をもつようにしましょう

経営者として会社を安定させたい場合は自分で会社の株の2/3以上持ちましょう。

出資する額も大きくなってしまいますが、平等に出資して場合あとで必ず後悔することになります。

会社設立時からあとあとのことを考えておくことは本当に大事ですよ。




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ABOUTこの記事をかいた人

1980年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了後、研究所研究員、プロギタリストを経て司法書士・行政書士として神奈川県内で「司法書士・行政書士事務所 ローライト湘南」を運営。専門は法人設立、融資サポート、営業許可申請。「100年続く会社づくり」を目標に経営者とともに悩み、企業の問題解決に取り組んでいます。