借金を「しないで」起業するのが危ない理由4つ

「借金は怖いから自分で全て資金を準備しよう」

独立起業時にこう考えている方は多いです。

もちろん資金が豊富にある方なら全然問題ありません。利息分が利益になりますので正しい選択といえます。

しかし、十分な自己資金がないのに借入を行わないで事業を始めてしまうのは逆に危険な行為です。

独立起業時に借金を行った方がいい理由を書いてみたいと思います。

 

創業融資を利用すると会社生存率がまるで違う

会社の生存率は思っているよりも低い

会社生存率というデータを知っていますか?

会社生存率とは、国税庁が調査した「中小企業が設立から倒産するまでの期間」に関するデータです。

このデータによると5年後に会社が生存している率は15%、10年後に生存している立は6%と言われています。

また日経新聞が1996年に調査した新設法人8万社のデータでも

[企業生存率] 5年後  15%
10年後  5%

という数字がでています。

帝国データバンクに載るような大きな会社では5年後生存率はこれよりもずっと高いですが、中小企業ではおおむねこの数字だと思います。

 

日本政策金融公庫のデータ

日本政策金融公庫のデータでは公庫の創業融資を受けた会社で4年間生存した会社が86.8%でした。

逆に4年間の間に廃業した企業の割合が10.8%となっています。

つまり融資を受けて起業した場合はデータ上圧倒的に生存率が高いです。

「借金が怖い」という考え方は起業をする上では非常に危ない考え方なのです。

「借金をしない方が怖い」

という方が正しい考え方です。

 

経営は開始時の資金が重要

素晴らしい計画で営業利益率の高いビジネスを始めるにしても最初の資金が大事になります。

例えば、100万円を投資して年間利益率20%だった場合、儲けは20万円になります。

次の年には120万円を投資すると44万円という風に増えて行きます。

これが1000万円から行う場合、最初の年は200万円の儲け、次の年には440万円の儲けとなります。

反対に考えると100万円で1000万円を投資していくビジネスと同じことをしようとすると利益率を10倍にしなければいけないわけです。

開始時の資金が少ない状態で始めるのがどれだけ難しいことかが分かりますね。

 

創業時が一番借りやすい

起業をするときに一番お金を借りやすいのが創業時です。

事業を始めてからしばらくして資金繰りが厳しくなった時に、お金を借りるのはかなり難しいです。

あなたも儲かってない会社の人が来て

「金を貸してくれ」

なんていっても貸さないですよね。

創業時にお金を借りないのは一生に一度のチャンスを逃すことなんです。

 

創業融資はそれほど怖くない

借金が怖いというイメージは、少し前の消費者金融の高金利が影響しています。

その時の消費者金融の金利は30%近いものでした。

これはさすがに返せないですよね。

創業融資の金利は大体金利が2%ぐらいです。

住宅ローンを組んでいる人は同じような金利で借りてきちんと返せていますよね。

創業融資は間違いなく借りて置いた方がいいものなんです。

 

まとめ

起業時にお金を借りることがどれだけ有利かを書かせてもらいました。

借金 = 悪

という考え方を変えてもらって事業の成功につなげていってもらいたいと思います。




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ABOUTこの記事をかいた人

1980年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了後、研究所研究員、プロギタリストを経て司法書士・行政書士として神奈川県内で「司法書士・行政書士事務所 ローライト湘南」を運営。専門は法人設立、融資サポート、営業許可申請。「100年続く会社づくり」を目標に経営者とともに悩み、企業の問題解決に取り組んでいます。