発起人として会社を設立する場合には印鑑登録証明書が必要になります。
ただし印鑑登録証明書は日本独自の制度です。日本に住所がない外国人の方は印鑑登録証明書を取得することができません。
印鑑証明書が取得できない外国人が発起人となるためにはどうしたらよいのかについて解説いたします。
外国人が印鑑登録証明書を取得できない場合に準備する書類
外国人が日本に住所を有しない等の理由で印鑑登録証明書が取得できない場合には
- 外国人のサイン証明書(発行後3か月以内)
- サイン証明書の訳文
が印鑑登録証明書の代わりの書類になります。
また印鑑証明制度のある国についてはその国の印鑑登録証明書と訳文をつけても大丈夫です。
訳文は特に翻訳家に依頼せずとも誰でも作成が可能です。
サイン証明書の取得方法
サイン証明書は日本にある各国大使館や当該国の公証役場で作成ができます。
外国人が日本に来ている場合には大使館、外国にいる場合は公証役場で発行してもらいます。
印鑑登録証明書が取得できない場合の会社設立書類
会社設立のために準備する書類は以下のものになります。
- 登記申請書
- 定款
- 本店所在場所決定書
- 資本金の払い込みを証する書面
- 役員の就任承諾書
- 発起人のサイン証明書と訳文
- 取締役のサイン証明書と訳文
- 印鑑届書
外国人が市町村の外国人登録原票に登録されている場合
- 住民基本台帳法に基づき、当該市町村の住民基本台帳に記録されている者
- 外国人登録法に基づき、当該市町村の外国人登録原票に登録されている者
であれば印鑑の登録を行うことができます。
市町村において外国人登録原票に登録されていれば、日本人と同様に印鑑を登録して印鑑登録証明書を取得できます。
ですので外国人が発起人として会社設立する場合に必要な書類は
- 登記申請書
- 定款
- 本店所在場所決定書(定款で本店を定めている場合不要)
- 資本金の払い込みを証する書面
- 役員の就任承諾書
- 発起人の印鑑登録証明書
- 取締役の印鑑登録証明書
- 印鑑届書
となります。
外国人の印鑑登録について
外国人は印鑑登録に細かいルールがあるので登録する際に注意が必要です。
印鑑の印影について登録できる印影は原則以下のものになります。
- 氏名の印鑑
- 氏のみの印鑑
- 名のみの印鑑
- 氏とミドルネームの印鑑
- 名とミドルネームの印鑑
- イニシャルの印鑑(ミドルネームを除いたイニシャルも可)
カタカナ表記について
英字圏の外国人についてアルファベット氏名に対応するカタカナを住民票の備考欄に記載されていれば、カタカナでの印鑑登録も可能になります。
また外国人登録においてカタカナ併記が登録されていれば、当該備考欄の記載のカタカナによって印鑑登録をすることができます。
通称名での印鑑登録について
外国人登録において通称名が登録されていれば通称名での印鑑登録が認められます。
住民票で通称名が記載されている場合には住民票記載の通称名で印鑑登録が可能です。
漢字の表記
国籍・地域が中国・台湾の方および、所定の届出をした韓国の方、パスポートを持っていない場合には漢字氏名が住民票に記載されます。
漢字は住民票記載の表記の他、旅券上、旧外国人登録証上の漢字での印鑑登録が可能です。
住民票上に通称名が記載されている場合には通称の漢字での印鑑登録も可能です。
まとめ
印鑑証明書が取得できない外国人が発起人となって会社を設立するためには
- サイン証明書
- サイン証明書の訳文
の2つを用意しましょう。
法令が改正されて日本に住所がない外国人の取締役のみでも会社設立が可能となっています。
海外在住の取締役のみの一人会社なども増えてくるかもしれませんね。