起業時には日本政策金融公庫(以下「公庫」といいます。)の創業融資が利用しやすいです。
その理由としては、
- 審査から融資実行までの期間が短いこと
- 自己資金要件が低いこと
- 企業としての実績がなくても融資を受けられること
があげられます。
ただし、融資を受けるためには公庫の審査をパスしなければなりません。
実際どういった基準で審査がなされるか気になるところですよね。
ここではこの記事を読んでくださる方だけに公庫の審査基準の秘密を書いてしまおうと思います。
審査基準の秘密
公庫の審査基準を一言でいうと
明確な基準はありません。
嘘だと思う人もいるかもしれませんが、元公庫の融資担当がその著書の中で述べています。
公庫が融資をするかどうかを決める際には各担当者の長年の勘によって決定されます。
「そんなの対策の立てようがないじゃないか!」
と思いますよね。
心配しないでください。
担当者の勘で決まるということは、担当者の判断基準にそって書類をつくればいいわけです。
公庫の担当者には必ずチェックするポイントがあります。
そのチェックポイントについてあなたにお教えします。
公庫担当者が起業家をチェックするポイント
公庫担当が必ずチェックするポイントは3つあります。
- 経営者としての資質
- 財政状態
- 収支見通し
以前は、自己資金の多さと同種の事業での経験が重視されていたようですが、現在では上記のような基準にかわりました。
起業家になるのは、勤め人とは全く別物ですからお金や経験があっても経営者としての考え方ができない人は失敗するわけです。
今では担当者に経営者としてやっていけそうという印象を与えることが重要になっています。
経営者の資質とは
一つ目のポイントは、経営者としての知識、適正があるかということです。
事業内容への知識、マネジメント能力、経営戦略の論理的思考能力を備えていて、コミュニケーション能力や行動力が高い人が好まれます。
要求される能力がすごく高く見えますが、実は当たり前のことを当たり前にできれば大丈夫なんですよ。
事業内容、マネジメント能力、経営戦略の論理的思考などは基本的な本を読めばわかります。
コミュニケーション能力に関しては、自分でべらべらしゃべる必要なんてありません。相手の話を聞く能力があれば十分です。
行動力も人任せにしないで自分でなんでもやってみる姿勢でいれば問題ありません。
一番大事なのは自分が経営者であるという自覚ですね。
仕事は与えられるものではなくて、自分で作っていくものという意識を持ちましょう。
それだけで経営者としての資質は十分です。
財政状況
これはお金に余裕があるかということです。
お金に余裕がないから融資を受けるのに変な話ですが、担当者にとってはお金をきちんと返してくれることが何より最優先ですからこうなってしまうのも仕方ないところです。
不動産や金融資産などの資産の状況、住宅ローン、車のローンなどの負債の状況、税金の支払い状況なども見られます。
自己資金が少ない場合は、家族から借り入れたり、もう少し働いてお金を貯めることも必要です。
収支見通し
起業に対して過大な投資をおこなっていないか、どのくらい売上が見込めるか、収益が予想よりも少なかった時に補てん方法があるかなどの情報を根拠とともに融資担当者へ伝えましょう。
計画に関してはやや控えめに・
大事なのは金銭感覚です。
最初から大きくドーンとお金を使って儲けようという人よりも、小さな投資で堅実に儲けを積み重ねていくタイプの方が担当者の好みだと思います。
3つのポイントすべてを満たさなくてもよい
以上挙げてきた3つのポイントすべてを満たす必要はありません。
むしろそんな人は少数派ですので安心してください。
とにかく明確な審査基準がなく「人」に対する審査となりますので、自分のアピールできるポイントについては一つでも多く担当者に伝えてください。
それがあなたが創業融資の審査をパスするために重要です。
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