2011年頃から資金調達の新しい形としてクラウドファンディングによるサイトが日本でもスタートしています。
新しい資金調達の形であるクラウドファンディングについて書いてみたいと思います。
クラウドファンデングとは?
クラウドファンディングとはインターネットのサイトを通じて大勢の個人から少額のお金を集めることで資金調達をする方法です。
あまり一般的には馴染みがなく、会社設立時にはあまり関係のない話を思われるかもしれませんが、近年急速に支援額が増えており2015年9月には累計支援額約40億円となっています。
1つの事業に対するの支援額は平均80万円~100万円となっており3000以上の支援実績があります。
クリエイターの方の作品制作や、個人運営のカフェ、飲み屋、漫画サロンなどの事業に対して出資を募ることが多くなっています。
革新的なアイデアのものもありますが、ちょっとしたアイデアお店や商品といったものも評価されています。大事なのはコンセプトが明確であるかということのようです。
クラウドファンディング3つのタイプ
クラウドファンディングの中には資金提供者に対するリターンの形態により、「寄付型」、「購入型」、「投資型」の3つのタイプがあります。
寄付型クラウドファンディング
寄付型クラウドファンディングはインターネットのウェブサイト上で寄付を募り、寄付者には資金の活用状況を記載したニュースレター等を送付するタイプの資金調達方法です。寄付者にもちろん対価はありません。
主に非営利の団体で、被災地や発展途上国の支援に使われることが多いです。
購入型クラウドファンディング
購入者(資金提供者)から前払いで集めた資金を元手に製品開発をして、購入者に完成した製品等を提供します。購入者への対価は商品やサービスになります。
主な資金提供先には、アーティストの作品制作、ゲーム制作、ガジェット開発、被災地支援事業、障がい者支援事業です。
資金調達の規模は、数万円~数百万円程度となっています。
投資型クラウドファンディング
プラットフォーム運営業者を介して、投資家と事業者との間で匿名組合契約を締結し、出資を行います。匿名組合契約は、通常投資家が株式を通じて出資するのと形態は似ています。
出資者(資金提供者)への対価は、事業の売り上げや収益です。
主な資金提供先は食品、酒造、衣料品、音楽関連、被災地支援事業等です。
資金調達規模は数百万円~数千万円と大規模な出資に用いられる形態です。
起業家がクラウドファンディングを使うメリット
1.財務面での審査や、実績面で難しい案件でもアイデア次第で資金調達が可能
金融機関の融資では一定の審査基準をクリアしなければ資金を獲得することはできません。審査基準は画一的に定められ、どんなに素晴らしいアイデアがあっても基準を満たさなければそれで終わりです。一部では審査にコンピュータを用いている場合もあります。
たとえば、創業融資の一部では同種の業務経験が3年以上、自己資金が融資額の2分の1以上などの形式的な要件があったりします。
そういった形式的な要件にとらわれず資金を獲得できる可能性があるのがクラウドファンディングです。
2.資金調達がすでに事業PRになる
クラウドファンディングのサイトで資金を集めるためにはサイトに事業内容を記載することになります。サイトで多くの資金を集めているプロジェクトは訪れる人の目に触れますし、メディアに注目されます。
資金調達とともに新聞や雑誌の取材を受けるなど、スタートアップ時期にもっとも必要な事業のPRがメディアを通じて自然になされます。
3.資金調達とともに事業のファンを集められる
クラウドファンディングのサイトに事業内容をPRすることでサイト上で事業内容に共感した企業のファンを作ることができます。
起業家から活動報告をしたり、逆にファンが応援メッセージを書き込んだりとスタートアップ時から有利な環境で事業を行うことができます。
日本の主なクラウドファンディングのサイト
日本で有名なクラウドファンディングのサイトは以下の3つになります。
国内最大手「READYFOR」
URL: https://readyfor.jp/
日本で最初に設立され、最大規模を誇るサイトです。
資金提供は購入型ですが災害支援プロジェクトなどでも高い実績を上げています。
クリエイター向け「CAMPFIRE」
国内最大のクリエイター向けクラウドファンディング。
顧問に堀江貴文氏が就任したことで話題となりました。
資金提供方式は購入型で、アート、音楽、ダンス、テクノロジー、ゲーム等の事業が多くなっています。
世界に誇れるモノづくりを目指す「Makuake」
株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディングが運営するクラウドファンディングです。モノづくりに関するアイデアを持つ人の資金調達をサポートしています。
誰でも起業家になれる環境は整ってきている
アイデアさえあればクラウドファンディングを利用して自分の夢を叶えたり、社会貢献をしたりすることが現実のものとなります。
お金がなくて起業できないと悩んでいる方もこういったサービスを利用して、起業にチャレンジしてみましょう。